色んな地方で珍しいお祭りがありますよね。
秋田のお祭りで子供を怖がらせる『なまはげ』などは
とても有名ですが長崎にも子供を怖がらせて福を呼ぶお祭りがありました。
長崎のお祭りモットモとは
モットモは無形民俗文化財に指定されています。
2月2日の夜、節分の前夜に行われ、多くの子供がモットモ爺に
追いかけられます。
手熊・柿泊のモットモ(てぐま・かきどまりのもっとも)
節分に行われる来訪神の行事です。
来訪神とは
1年に1度季節の変り目に人々の世界に来訪して,豊饒や幸福をもたらすとされる神々。来訪神信仰は世界各地で広く行われており,日本でもまれびと信仰として盛んである。来訪神の多くは人々が仮面仮装した異形の姿で現れるが,日本では,東北・北陸地方のなまはげの系統のものや,九州のトシドン,ボセ,沖縄のミルク,パーント,アカマタクロマタ,マユンガナシ,フサマラーなどが知られている。沖縄八重山のアカマタクロマタは赤や黒の仮面をつけ,木の葉で身体全体をおおった姿で出現し,村人の歓迎を受けたのち,村中の各家をまわってきたるべき作物の豊饒をもたらすと信じられている。仮面仮装する者の多くは若者であり,また特別の資格をそなえた村人である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
大人3人が一緒に各家庭を訪問する。
3人のうち一人は年男で『鬼は外』と唱えながら豆をまきます。
もうひとり福娘は『福は内』と続けて唱えます。
ここまでは普通の豆まきですが、モットモは、最後に
主役のモットモ爺が登場します。
このモットモ爺が子供からしたら怖い!兎に角怖いんです。
なぜ子供が怖がるような格好や仮面をかぶるのか?
モットモ爺が子供を怖がらせる理由
年男が鬼は外と唱え、福娘が福わ内と唱えながら豆をまきます。
次にモットモ爺が「モットモォー」と大声で叫んで床を激しく踏み鳴らします。
家の中で叫ぶことで家内安全や無病息災を祈念しています。
モットモ爺は、顔にドーランを塗って棕櫚蓑などを着て子供を怖がらせます。
理由は子どもが泣くほど福が舞い込むなどといわれているので、
モットモ爺は子どもを脅かすんです。
子供は見たこともないような異様な顔の大人がイキナリ家に入ってくることで
それはもう気が動転して怯えきります。
隣にお父さんやお母さんは居ても、泣き叫ぶくらい怖がります。
そりゃあ怖いですよね。
イキナリ家の中に見たこともないような顔をした怪物が入ってきて
独特の形をした杖で家の床をドンドン激しく突いて
『モットォー』と怪物が叫ぶんですからね。
でも子供が叫べば叫ぶほど福が舞い込むなどといわれています。
三者が家を出ると、付き添いの女性が、
「福の神様お見えになりました」などといって家人から祝儀をもらって終わります。
今までは集落の若い人たちが集まって100年以上も続いてきた伝統行事です。
無形民俗文化財に指定されたのに、
最近は少子化で伝統を維持することが年々難しくなっているそうです。