オランダの首都アムステルダムで葬儀関連の見本市が開催されました。
オランダでは安楽死を合法化している国で、一つの機械が世界で注目されています。
ボタンひとつでいつでも命を絶つことができる「自殺機器」。
自殺マシーンとも言われていますが、どういったものなのか。
【自殺マシンの開発者は?】
今回アムステルダムで開催された葬儀関連の見本市ですが、
一番の目玉になったのが、「自殺マシン」。
その機械の名前は、サルコ(Sarco)というそうです。
サルコファガス(石棺)を略した「サルコ(Sarco)」と名付けられたこの機器は、3Dプリンターで製作されたもの。
窒素ボンベを内蔵したスタンドに、取り外し可能なひつぎを取り付けた形になっています。
安楽死を推進するオーストラリア人の活動家で医者のフィリップ・ニキチが発明したものです。
安楽死の合法化を目指し、「死の医師」の異名を取るニチキ氏。
「死にたい人がボタンを押せば、カプセル内は窒素で満たされる。少しだけ目まいがするかもしれないが、すぐに意識を失って死ぬ」と話しています。
また、瞬きだけでスイッチを入れることも可能だそうです。
サルコ氏は「死にたい人に死を提供する」機器だと語っています。
見本市の会場にはサルコの模型が展示された他、
来場者が、サルコに入って最終的にボタンを押すまでを体験できる、
バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)ゴーグルが用意されました。
ニチキ氏はサルコの1号機の年内完成を目指しています。
完成後は、設計図をオープンソースの文書としてオンラインで公開し、自由にダウンロードしてもらう意向だということです。
【日本で安楽死するには?】
「私は安楽死で死にたい」と脚本家の橋田壽賀子氏(92)が宣言をしたことで少し前に話題になりましたね。
安楽死を遂げるまで の著書、宮下 洋一 氏は「200万円で十分可能」と実状を紹介されています。
日本では安楽死は法的に認められていません。
だが海外では安楽死を法的に認めている国はあります。
安楽死は、現在、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、カナダ、アメリカの一部の州で実施されています。
たとえば、国内の死因の約4%が安楽死に当たるオランダでは、在住者は保険が適用され無料となる場合があるそうです。
安楽死を法的に認めている国のうち、外国人が安楽死できる国は、世界でスイスしかないそうです。
外国人が費やす合計金額は、だいたい旅費込みで150万円程度。
長い闘病生活で苦しみに耐え続ける人も多くいます。
個人的には、本人の意思によって安楽死を希望することが悪いことだとは思いません。
日本人は、自ら「死」を選ぶことを「悪」と考える節があると思います。
最後の瞬間を自らコントロールすることのどこが悪いのでしょうか。
家族、親族、などに迷惑をかけるのが嫌で安楽死を願っている高齢者は多くいると思います。
個人的な意見に偏りがちなこの「安楽死問題」。
他国で法整備が整っている現状からすれば、認めることも必要なのではないのでしょうか。