コイヘルペスの症状で錦鯉を処分 特別名勝の公園の対応

話題

香川県の高松市にある栗林公園の池に放たれている鯉の死骸から

コイヘルペスが確認されました。

香川県が4月にコイの死骸のうち2匹を検査すると、コイヘルペスの

陽性反応が出たそうです。

香川県の栗林公園のコイにコイヘルペスが感染した時期や感染経路は分かっていないそうです。

栗林公園では、今年には入って2月ごろから今月の上旬にかけて、250匹もの

鯉が死んでいるのが発見されています。

コイヘルペスとは何か?

処分すれば感染は防げるのか?

調べてみました。


【コイヘルペスとは】

コイヘルペス病とは何か?

コイヘルペス病を発症するのは真鯉と錦鯉に限られています。

発病すると鯉の行動がゆっくりになって、泳ぐ姿もノロノロしています。
あとはエサを食べなくなってきます。

見た目では分かりにくく、少し色が変化したり、ウロコの部分がただれてきたりするそうです。

コイヘルペスは成魚だけでなく、幼魚にも発病し、

死亡する確率が非常に高い病気です。

コイヘルペスが発症した鯉の水に接触しても人には移りません。

しかも、コイ意外の魚にも感染しません。

しかし、コイヘルペスウイルスに感染した鯉が泳いでいた水を介しては、

別の鯉に感染します。


【コイヘルペスウイルス病の診断方法】

どうやってコイヘルペスウイルス病にかかっているのか見分ける方法ですが、

コイの眼の落ちくぼみや,エラぐされなどがみられることもあります。

ですが、症状がはっきりと出ずに死んでいくこともあります。

確定診断は PCRと呼ばれる方法でウイルスの遺伝子を検出することによって行います。

現在,PCR法の改良やより簡単で高感度な診断法の開発が行われています。


 

【コイヘルペスウイルス病の症状や処分、対応する方法】

コイヘルペスウイルス病に感染している鯉を人間が食べても感染はしません。

なぜ感染しないのか。

コイヘルペスウイルス病は、30℃以上では増殖できないことが分かっています。

人間の体温は通常36℃から37℃なので感染できないのです。

コイヘルペスウイルス病が発見された池などの水に同じ所に生息している魚を
食べても大丈夫なのか?

先にも書いたとおり、マゴイとニシキゴイ以外の魚には感染しないとされています。

では感染した鯉が棲んでいた池などを消毒するにはどうすればいいのかですが、

コイヘルペスウイルスは次亜塩素酸(添加後の有効塩素濃度が3mg/L程度)や

ヨード剤,アルコールなど通常の消毒剤で簡単に死滅します。

また水温50℃では1分で死滅します。

水温15℃以上の通常の河川水や湖水中では水中のバクテリアによって3日程度で死滅することがわかっています。

したがって,池などを消毒する場合,コイをすべて取り上げ止水にして1週間程度放置し,その後塩素消毒を行えば十分な消毒効果が期待されます。

【コイヘルペスウイルス病は治るのか?】

感染してもすべてのコイが死ぬわけではありません。

ウイルスの量や水温によってはほとんど死なないこともあります。

発症したコイを手遅れにならないうちに30℃に水温を上げて一週間以上飼育すれば治癒できることが明らかになってきました。

このようなコイは ウイルスに対する免疫を持っていますので、次にウイルスに暴露されても発症しにくくなります。

ただし,感染初期で症状の出ていないコイを高水温に移して飼育しても、

このコイを再び 20~25℃の水温に戻したとき、発症することがあります。

これは病気の症状が出ない程度の軽い感染ではコイに十分な免疫ができなかったためと考えられます。

水温変化が無くても自然に病気の症状が消え見た目に健康になることがあります。

でも、実際には完全に治癒せず、他のコイに病気を移す可能性があります。

水温を下げてもコイヘルペスウイルスの発症を抑制できますが、

この場合は再び水温が上昇すると高い割合で病気が発生します。

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