政府が高等教育について無償化を行う制度の大枠を固めました。
幼児教育・保育や大学なども無償化を勧めており、
各教育機関でさまざまな議論が行われているので
簡単にまとめてみました。
【高等教育の無償化について】
高等教育の無償化については、住民税などを払っていない低所得者層として、
年収が380万円未満の世帯までを段階的に支援する方向で検討しています。
この新しい制度は来年の10月に引き上げられる消費税で得られる税収の一部を使って、
2020年から始まる予定です。
昨年末までは住民税を払っていない世帯の授業料と一定の生活費を無償化することが決まっていました。
文科省を中心に具体的な制度設計を進め、年収380万円未満の世帯まで段階的に授業料と生活費を3段階にわけて支援する方向で最終調整しています。
具体的には、年収300万円未満の世帯には住民税を払っていない世帯の支援額の3分の2を、年収380万円未満の世帯には3分の1を支給します。
私立大学に進学した場合は、国立大学の授業料と私立大学の平均の授業料の中間程度の金額を支援する方向で進んでいます。
【大学無償化について】
大学無償化について私立大学側から異論が出ています。
政府が2020年度からスタートさせる計画の大学など高等教育無償化で支援対象者や対象校の選定要件に、疑問が持たれています。
対象校の選定要件を国公立大学側はおおむねの条件を満たしているのに対し、
日本私立短期大学協会は
「実務経験者による授業は多様な科目を置く大学ほど実現が困難になる」、
全国公立短期大学協会は
「人文系学科には実務経験が必要でない科目もある」、
日本私立大学連盟は
「国公立と私立の授業料格差是正が先決」などと注文を付けています。
【幼児教育・保育の無償化について】
2019年10月から幼児教育・保育の無償化を全面的に実施する方針を政府が固めています。
これまでは19年4月から5歳児のみを無償化し、20年度から全体に広げる予定だったが、半年前倒しする予定です。
19年10月に予定する消費税率10%への引き上げに合わせることで子育て世帯の暮らしに配慮しています。
幼稚園や認可保育所に加え、預かり保育などの認可外施設も対象にする。
【新制度について政府の意向】
新制度は2017年の衆議院議員選挙で安倍晋三首相が公約に掲げたものです。
2019年10月に予定される消費税率引き上げによる増収分の一部を活用し、
2020年度からスタートさせます。
住民税非課税世帯の授業料と生活費を無料にする大枠が2017年末に決まり、
文科省が中心となって具体的な制度設計に入っています。